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遺書—給石戶谷先生

石戸谷 慎吉 先生
  
  近五、六年来、常に格別なるご厚誼、ご教示や御支援を賜り、お影様にて今日まで活き延びて来ました。心より厚く御礼申し上げます。

  実は、去年十一月廿日台湾協會斉藤毅理事長、三宅教雄會長御一行を屏東県高樹の広修寺にご案内している途中、黄智慧博士から電話で高雄市議會は八二三戦役老兵の請願に依り、多数市議贊同の下に、旗津の「戦争と平和記念公園」の名称を「八二三戦役記念公園」に変更の決議を知らされた時は、私は憤慨の至り、狂い出したまらないような気に駆り立てられ、大声で黄博士に「陳菊市長に戦争と平和記念公園をどう処理するか?聞いて下さい!」と怒鳴りました。その時から、私は「戦争と平和記念公園」の危機を直感しました。

  十一月廿二日、台湾協會ご一行様を台北に見送った後、私は早速、知り合いの市議鄭新助法師を通じて、提案者王齡嬌(親民党)市議を訪れ、抗議文を渡したが、「既に議員多数の同意で通過した案件だから、それを翻すのは難しいから、挽回の方法としては四十二名の市議を一々訪れ、詳しく説明して見て下さい」と云われた。八十歳の爺が四十二人の市議に一々頭を下げてお願いすることは、私にとっては死ぬより辛い事ですから、私は早速各市議に「嘆願書」と「名称変更の得失對照表」を附して速達書留で分送しました。

  その后、ずっと何んの沙汰もなく、過して来ました。やがて年明けて二〇〇八年三月十三日、高雄市政府文化局が召集人として、國史館台湾文献館の館長劉峰松氏、文建委員会副主委呉錦發(陳銘城主任が代表)、高雄市議會贊同議員五人、八二三戦役に関わる三つの団体の代表と私を集めて、高雄市議会に於て、協議會を開いた。結果、「八二三」の名称は取消、その代り「八二三戦役戦没者記念碑」を「台湾無名戦士記念碑」の左側に建立する。そして「戦争と平和記念公園」の名称を「平和記念公園」に変更することに決着した。私は反対したが、一人だけの力では何も發揮することは出来なかった。國史館と文建委員會は、早くこの案を通過し、工事に取りかかるべきと強調した。そうしないと折角弾き出した一、四〇〇万元の中央補助金が白紙に戻される恐れがあるからと云う理由で妥協した。

  その日から私は憂鬱と悲憤を重ね、三八〇〇坪の聖地と「戦争と平和記念公園」の名称を確保する決心を堅めた。
四月二十四日、高雄市政府文化局から「戦争と平和記念公園」の名称は「平和記念公園」に変更したから、三つの処理方案をつくり、私を呼びつける心算だったが、私は速達書留便にて「不出席抗議」と返事し、嘉義へ帰ったのである。

  そして夜は眠れず、遂に五月十五日から五月廿日まで、絶食デモ抗議活動を企劃しました。もう命を捨てても構わないと云う覚悟で報道陣や有志達に通達書を發送しました。

  ところが五月六日、元日本軍人軍属及び遺族籠合會の理監事開議に私は常務理事として出頭し旗津半島の「戦争と平和記念公園」の危機を皆に報告しました。與會者は大いに憤慨し、即時五月九日各団体から代表を派遣し、高雄市政府と市議會を訪問することを決議しました。

  五月九日、私にとっては大事な時刻だった。若し協議が成り立たなかったら、十三日から廿日の間に流血又は死傷を出す覚悟を備えた。幸いにして、高雄市政府も市議會もそれを恐れ、協議に乗って呉れた。即ち今迄、私共が建設した記念碑や「戦争と平和記念公園」と刻んだ出入口の大石碑はそのままの状態にして置く。そして「台湾無名戦士慰霊碑」の左側に「八二三戦没者慰霊碑」を増建する。しかし、本格的な名称は「平和記念公園」にすると協議したわけである。

  だが、この後が憂いて仕様がない。幾ら陳菊市長とは云え、國民党が執政している以上、元日本軍人軍属は敵と見なされる。従って「歴代戦没台湾英霊」を記念する余地が狭くなる。又國府軍戦没者は全部台北の円山忠烈祠に奉祀されているから、高雄旗津半島に「戦争と平和記念公園」を建設する必要も薄くなって来る筈。

  従って私達が過去十二年、私は老兵達の探訪調査を含んで前後廿二年、何をやって来たか、さっぱり分からなくなってしまう。
このような屈辱と理不尽は到底受け入れません。

  その心情と決心をご理解下さい。
  兎に角、長年に亘り、いろいろとお世話様になりました。

  皆様のご厚情とご協力を心に銘記して、「台湾魂」と化し、飽くまで台湾国立「戦争と平和記念公園」の誕生を促したいと思っております。

  どうか先生を始め、福村氏等、お体を大事に、又ご協力、ご支援下さった方々にもその旨をお伝え下されば幸甚であります。

さようなら!

二〇〇八年五月廿日吉時 台湾老兵 許 昭栄 絶筆

 遺書原文は手書き
 友愛の会 秘書長 張文芳先生 タイプ浄書